技術で人のモビリティを拡張したい。義足の未来を変えていくモノづくりへの想い~メンバーインタビューvol.1~

BionicMの魅力を伝えるべく、これから数回にかけて、メンバーインタビューを公開していきます。

記念すべき第一弾は、Electronics Engineer(電子エンジニア)の藤本正志さん。

これまでの経歴やふだんの仕事から見えるBionicMが目指したい未来やビジョンについて、ありのままにお話いただきました。

今回インタビューしたのは・・・

Electronics Engineer
藤本正志

東京工業大学工学部制御システム工学科で学士取得後、同大学大学院の機械物理工学専攻へ進学。2012年に修士課程を修了。
電気・制御にかかわるエンジニアとしてルネサスエレクトロニクス株式会社、三菱電機株式会社を経て、2019年にBionicMへ参画。

 

目次

  1. モノづくりには理不尽さがない。小さい積み重ねが結果に結びつく。

  2. 「クリエイティブな自分でいたい」が叶った、BionicMへの転職

  3. 「一番いいものを作ろう」というモノづくり環境がある

モノづくりには理不尽さがない。小さい積み重ねが結果に結びつく。

―― 藤本さんは、とにかくモノづくりが大好きな印象です。趣味で、ご夫婦で製作された内容を「team M and Aの部屋」というブログに掲載されていますよね。

コロナ禍で自宅にいる時間が増えてガーデニングをはじめたんです。いま水やりの自動化を目論んでます。

夫婦で製作されたArduino (GR-ROSE) Robot Gardener(ガーデニング水やりロボ)

―― アームがしっかり動いている…!え、すごいです。

これ見た目よりも大変なんですよ。鉢の中をどうジグザグ動くか計算させたり。動画だとぼくが手で持っているアーム・ペットボトルをどう固定しようとか課題はまだまだあります。

 

―― 日常をちょっと便利にするアイデアが藤本さんの頭にはたくさん詰まっていそうですね。いわゆるモノづくり、いつ頃から興味を持ちはじめたのでしょうか。

小さい頃からずっと関心はあって、本格的にのめり込んだのは大学のロボコンサークルからです。思い出深いのは大学2年生の頃に作った小型の迷路探索ロボット・マイクロマウスです。初めて自分1人で作ったんですよ。

ロボットマイクロマウスは小さいので、一見簡単そうに見えますが、実はいろんな技術が必要なんです。ハード面のモーターや車体はもちろん、電子回路・制御や迷路探索プログラムまでモノづくりの魅力がぎゅっと詰まったロボット。それを、どう形にしようか、調べて、考えて、試していくうちに新たなアイデアが湧き、少しずつ形になっていく過程が楽しかったんです。

モノづくりには理不尽さがないんです。自分が頑張れば形になっていくし、頑張らなければ何にもならない。

小さい積み重ねが結果に結びつくんだな、という原体験からこの世界にあっという間にのめり込んでいきましたね。

実際に製作されたロボットマイクロマウス

―― そこからルネサスエレクトロニクス、三菱電機、とキャリアを積み重ねていったのですね。

新卒で半導体メーカーのルネサスエレクトロニクスへ入社し、マイコンに付随するデバックツールの回路を設計していました。簡単に言うと、マイコンは電化製品などに埋め込む超小型パソコン。デバックツールはマイコンが正常に動作するかどうかを確認するデバイスです。

やがて「もっと新しいスキルを身につけたい」「他の業種・製品にも挑戦し成長したい」と若気の至りから(笑)、三菱電機へ転職して工場などで動くロボットアームのモーター制御装置を作っていました。

1社目でハード寄り、2社目でソフト寄りといい体験ができました。

 

―― 両方経験し、正直なところどちらがお好きですか。

どちらの経験も今に活きていて、どちらかだけが好きというのはないですね。大企業だと体制から分かれているので、両方担える機会になかなか恵まれるのは難しかったので、今は楽しくて仕方がないです。

インタビューを受ける藤本さん

―― 三菱電機を出ようと決めたきっかけは、両方やりたいという想いからだったのでしょうか?

いえいえ、結果論です。BionicMを知ったきっかけは、現在BionicMのElectronics Managerであり、大学の先輩である小笠原さんから「来てみないか?」と誘ってもらったことでした。

ロボットと人の協調という分野、義足という製品にはロボコンサークル時代から興味もありましたし、何よりも、大きな組織ではなくベンチャーで純粋にモノづくりに挑戦したい、という想いが心から湧いてきました。
大手は良くも悪くも役割分担がはっきりしていて、目の前の業務をこなすことに精一杯なところがありました。勢いがあるベンチャーで思い切りモノづくりに没頭できるチャンスってなかなかないと思うんですよね。熱意に突き動かされるように、2019年入社しました。

 

普段の作業スペース

「クリエイティブな自分でいたい」が叶った、BionicMへの転職

―― BionicMではどんな仕事をされていますか。

Electronics Engineerとして電気関係の開発・評価はもちろんのこと、ハードウェアに近い低層周りのハードウェアに近い低層周りのソフトウェアにも携わっています。ベンチャーならではで人数が少ない分やれる人がやるしかないので、1人1人が担当できる範囲は広いですね。

同じ職種はぼくともう一人だけだから、大変かもしれませんけどやりがいの方が上回りますね。顔色も良くなったと小笠原さんに言われました(笑) BionicMへ来てから、純粋にモノづくりに没頭できているからかもしれません。 

 

―― すると今は心から楽しんでいますか?

挑戦を楽しむ気持ちと、うまく進まない気持ちとで、商品化まで持っていけるだろうかと自分に対して不安を覚えてしまう日も正直あります。そんなときは、代表の孫さんが掲げている「多くの人のモビリティを拡張出来るものを作りたい」という思いを技術で支えたいという初心を思い出します。
やっぱり、歩いて色んな所に行けることは楽しいはずなんですよ。身近な例だとおばあちゃんが膝を悪くして散歩に出かけられないことを悲しんでいる姿が浮かびました。義足があることで歩くハードルが下げられる、それって素敵なことだなあ、と思います。

 

―― 藤本さんのモノづくりとしてのプロ意識を感じました。どんなところがモチベーションですか?たくさん色んなものを作られていて、楽しそうだなと思う反面、どこから「作ろう」という気持ちが湧いてくるのかなと気になりました。

何だろう、やっぱり作る過程が楽しいですね。

 

―― もしかすると、藤本さんはベンチャーのほうが向いていたのかもしれませんね。組織が大きくなればなるほど、個の成長やこだわりよりも全体の成長が進んで最適化・収斂が起きるケースもありそうです。「理不尽さがない」をモノづくりのキーワードとして掲げている藤本さんは、規模が小さくコミュニケーションが取れやすい位置がストレスを感じにくいかもと感じました。

確かに、そのとおりかもしれません。分からない中でリーダーシップを持って判断して自ら進める、みたいなタイプではないのでベンチャーマインドからは若干離れてるんじゃないかなと自分では思っていたんですが、クリエイティブな自分でいたい気持ちが強いのかも。組織の中の決まった枠組みでつくるよりも、枠を越えて、メンバーの互いのよいところを存分に出し合ってよい製品をつくりたいと思います。

―― 今はまだプロダクトがリリースまでいっていないもどかしさは重々承知の上で、今の仕事の楽しさをひとつ挙げるとすると、どんなところでしょうか?

自分たちで考えるところ、ですね。技術に限らず、エンジニアがたくさんいてフラットに話し合い「こうしたらもっと良くなる」と議論して前に進む、その過程自体を楽しんでいます。

―― 主体的に関われている感覚が心地いいんですね。

売れる状態へ持っていくのは簡単じゃないなと痛感しますけどね。予算もスケジュールも目標も待ってはくれないので。

―― モノづくりにおいて、プロダクトが未完成であるものと、完成がみえているものでどんな違いがありますか?

そもそも論、仕事と趣味でモノづくりで成し遂げたいことが違うのもありますし、製品を作るって技術だけではなく法律だったりルールを守らなくてはいけないんですよね。特に義足は人の一部を拡張するから安全性を考えきらないといけない。

 

―― 制約がある中でどう最良のものを生み出すか、ですね。

「一番いいものを作ろう」というモノづくり環境がある

―― 仕事の進め方で気に入っているところはありますか?

いろんな技術に秀でたメンバーたちがお互いに意見をぶつけあったり調和を取りながら、純粋に「一番いいものをつくろう」と相談しながら決めていけるところですね。

 ―― 藤本さんから見たBionicMの人を一言で表すと。

 技術好きがとにかく多い!技術に裏付けられたものをみんな大切にしています。すごいのはユーザー視点とのバランス感覚ですね。三方よしを狙いにいける環境です。義肢装具士がいる点も大きい。その一方で、人柄はみんな違うんですよ。個性豊か。

―― 率直に聞いてしまうんですけど、転職してきてどうでしたか? 

部品の発注先から休日に問い合わせがきて対応せざるを得なかったとき、不思議と嫌じゃなかったんですよ。あ、自分はいまの仕事に対して意義を見出していて、こういうイレギュラーな対応も嫌じゃないんだ。としっくりきて、転職してよかったなとふと思いました。

―― 嫌々やるのではなく、楽しくて、自分から望んで仕事ができている感覚でしょうか。

そうですね。まあ、業務フローとかは何も無いので大手と全然違うし、そこはこれから整備していかないといけませんね。やることがいっぱい。

 ―― 2021年6月の製品完成を目指してますもんね。楽しみです。

取材後記

少年のように目を輝かせてながら、作品や製作中の義足について説明している姿が大変印象的でした。今回のインタビューではモノづくりへの情熱、真っ直ぐな姿勢を垣間みることができました。愛とこだわりが詰まった義足、お披露目の日が待ち遠しいですね。

BionicMでは仲間を募集しています。

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